MKULTRA (エム・ケイ・ウルトラ)

アメリカにおける有名な、自国民及び他国民を利用した大規模な人体実験(国家犯罪)に、MKULTRA(エム・ケイ・ウルトラ)があります。MKULTRAは、1953年から1963年にかけて、CIAの指揮のもとに行われた非合法工作活動であり、主にアメリカ国民にたいする、LSD 投薬、電気ショック、神経ガス使用等を伴ったマインドコントロール実験です。1953年から1963年というのは、プロジェクト名がMKULTRAであった機関であり、その流れは、公にされているものだけで、1950年に開始されたBLUEBIRD(ブルーバード)に始まり、1964年以降には、MKSEARCH(エム・ケイ・サーチ)と名前を変えて存続していました。そして、この流れは現代まで受け継がれています。様々な情報を整理しますと、第二次世界大戦を境に、旧共産圏で行われていた洗脳(Brainwash)技術、1943年にスイスのアルベルト・ホフマン博士によって実験されたLSD(覚醒剤の一種)の研究成果、ナチス・ドイツで研究されていた化学兵器技術等がアメリカにもたらされ、アメリカ国民、及び他国民に対する人体実験が一斉に開始され、今日まで続いている、ということになります。

MKULTRAをはじめとするマインドコントロール実験では、LSDを使用して心理を破壊する実験、LSDと電気ショックを組み合わせ、鎮静状態を数日続ける実験、ヘルメット状のヘッドホンから延々と被害者自身の声を繰り返す実験、電極を埋め込む実験、サリンやタブンといった神経ガスによる実験などが行われました。
そこで目標とされたのは、被害者の無意識のうちに急速に催眠をかける、永続的な記憶喪失をつくる、永続的な後催眠暗示を植え付ける、といった脳機能への操作です。こういった実験では、障害を残した人、また自殺者や死人も出ています。
当初の被験者は、退役軍人、囚人、アルコール中毒者、麻薬中毒者でしたが、アメリカ兵だけでも、7,000人が本人の同意なしに実験対象になっていたという報告があります。その研究成果を元に、この実験が次第に一般市民に対しておこなわれるようになります。この境は、1964年にプロジェクト名がMKSEARCHとなってからということになっています。CIAがカルト団体を養成し、実験の幅を広げ初めたのはこのあたりのようです。カルト団体などを通して、一般市民にLSDがばら撒かれ、マインドコントロール実験がおこなわれたのです。
さらには、カルト団体に洗脳されたという人々を拉致し、逆洗脳(デ・プログラミング)と称して、更なるマインドコントロール実験を行っているのではないか、という報告もあります。この実験には、多くの心理学者、精神科医などが加担していました。当時は当然、カルト団体とCIAの関係は暴かれたいませんでしたが、MKULTRAが1977年に暴露されてから20年以上経つ現在でも、CIAによるマインドコントロール実験、及びカルト団体との関連は指摘されています。

MKULTRAが酷い実験だった、国家による人権侵害だったと言ういう事は簡単ですが、問題はその目的が、「いかに人間をコントロールするか」、「いかに従順な国民を養成するか」、「結果として、権力を与えられた末端の人々がいかにして欲望を満たすかであった」という観点であり、宗教団体などの民間団体、及び一般市民を利用し、その実験の成果が現在の世の中で活かされている、という事です。

MKULTRAで行われた実験は、「感覚遮断」「LSD投与」「電気ショック「「繰り返されるメッセージ」等ですが、実はこれと同じ方法がかつてのオウム真理教で行われていました。皆様も耳にした事があると思います。
感覚遮断、及びLSD投与は「キリストのイニシエーション」、電気ショックは「ニューナルコ」、繰り返されるメッセージは「ポアの間」で聞かされる「宝石の言葉」等々。カルト団体で行われるマインドコントロールは同じようなものなのではないか、と思われた方もいるかもしれません。しかし、元をたどれば、アメリカ国家機関による国家犯罪にたどり着くのです。尚、オウム真理教の台頭と同時期、日本において第三次覚醒剤乱用期が始まっています。